会社を辞めてFIREすると、健康保険は自動的に切れます。退職翌日から無保険になるため、14日以内に切り替え手続きが必要です。「何に加入すればいいのか」「保険料はいくらか」を知らないと、思わぬ出費で計画が狂います。
退職後の健康保険の3つの選択肢
| 選択肢 | 概要 | 期間・条件 |
|---|---|---|
| ①任意継続 | 会社の健康保険をそのまま継続 | 退職後20日以内に申請・最長2年間 |
| ②国民健康保険 | 市区町村の国保に加入 | 退職後14日以内に市役所で手続き |
| ③家族の扶養に入る | 配偶者・親の健康保険の扶養へ | 年収130万円未満が条件(概算) |
手続きの優先度:退職後まず確認すべきは「①と②どちらが安いか」です。一般的にFIRE初年度(退職年)は前年収入が高いため国保が高くなりがちですが、翌年以降に収入が激減すると国保のほうが安くなります。毎年比較して切り替えることが大切です。
任意継続 vs 国民健康保険の比較
| 項目 | 任意継続 | 国民健康保険 |
|---|---|---|
| 保険料の計算基準 | 退職前の標準報酬月額(在職中と同額・全額自己負担) | 前年の所得に基づいて計算 |
| 保険料の上限 | 標準報酬月額の上限(約月3万円) | 年間上限あり(自治体による・約100万円程度) |
| 変動タイミング | 2年間変わらない | 毎年8月に更新 |
| 家族の加入 | 扶養家族は保険料無料 | 家族全員分が加算される |
| やめ方 | 保険料未納で自動脱退(2026年改正後は任意脱退可) | いつでも脱退可 |
| どちらが有利か | 高収入で退職した初年度 | 収入が大幅に減った翌年以降 |
国民健康保険料の計算方法
国民健康保険料は「所得割」+「均等割」+「平等割」で構成されます(自治体によって異なります)。
国民健康保険料の計算式(概算)
年間保険料 ≒ 所得割(前年所得 × 約10%) + 均等割(1人あたり約4〜6万円)
例)前年の給与所得400万円・一人暮らしの場合:
所得割:(400万円 − 43万円基礎控除) × 10% ≒ 35.7万円
均等割:約5万円
年間保険料:約40万円(月約3.3万円)
※ 税率・均等割は自治体ごとに異なります。退職翌年に所得がゼロなら大幅に下がります。
例)前年の給与所得400万円・一人暮らしの場合:
所得割:(400万円 − 43万円基礎控除) × 10% ≒ 35.7万円
均等割:約5万円
年間保険料:約40万円(月約3.3万円)
※ 税率・均等割は自治体ごとに異なります。退職翌年に所得がゼロなら大幅に下がります。
| 前年の給与所得 | 国民健康保険料(概算・一人) | 月額換算 |
|---|---|---|
| 0円(FIRE翌年以降) | 約5〜7万円/年(均等割のみ) | 約5,000〜6,000円 |
| 100万円 | 約12〜15万円/年 | 約1〜1.3万円 |
| 200万円 | 約20〜25万円/年 | 約1.7〜2.1万円 |
| 400万円 | 約38〜43万円/年 | 約3.2〜3.6万円 |
| 600万円(退職年) | 約60〜80万円/年(上限付近) | 約5〜6.7万円 |
※ 東京23区の概算目安。自治体・家族構成により大きく異なります。市区町村のWebサイトで試算を。
保険料を下げる5つの節約術
- 年間所得をコントロールする:FIRE後の収入(配当・副業)を年130万円未満に抑えると保険料が大幅に下がります。新NISAの利益は非課税のためカウント外。特定口座の売却益を分散して低所得を維持することが効果的です
- 退職後すぐに国保軽減申請をする:会社都合退職(倒産・解雇)の場合、前年所得の30%のみを保険料計算に使う「非自発的失業者の特例」が適用されます。自己都合退職でも市区町村によっては減額制度があります
- 国保料の均等割軽減制度を使う:世帯の所得合計が一定以下(例:2人世帯で約190万円以下)なら均等割が7割・5割・2割軽減されます。FIRE後に収入が低ければ自動的に軽減されます
- iDeCoの掛金で所得を下げる:サイドFIREで副業収入がある場合、iDeCoの掛金分を所得から控除できるため、国保の所得割計算の基になる所得を減らせます
- 配偶者の扶養に入る:配偶者が会社員で健康保険に加入していれば、年収130万円未満なら扶養に入ることで保険料がゼロになります。最強のコスト削減策です
国民年金も忘れずに
会社を辞めると厚生年金から国民年金に切り替わります。国民年金の保険料は月額約1.7万円(2026年)で、全額自己負担です。
国民年金の免除制度:前年の所得が一定以下の場合、申請により国民年金保険料が全額・3/4・半額・1/4免除になります。免除期間も将来の年金受給額に一部反映されます(全額免除で2分の1相当)。FIRE直後の所得が低い年は必ず申請しましょう。
まとめ
- ✅ 退職後14日以内に健康保険の切り替え手続きが必要(市区町村窓口)
- ✅ 退職初年度は任意継続が有利なケースが多い。翌年以降は国保と比較して安い方を選ぶ
- ✅ FIRE翌年以降、前年所得がゼロなら国保保険料は年5〜7万円程度まで下がる
- ✅ 新NISAの利益は所得に含まれないため、国保料に影響しない
- ✅ 配偶者の扶養に入れれば保険料ゼロ。最も有利な選択肢
- ✅ 国民年金は免除制度を活用。低所得年は必ず申請する
