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FIREの基礎知識 2026年3月掲載

トリニティスタディとは?
4%ルールの根拠と日本人への適用を徹底解説

2026年3月掲載

⚠️ 本記事は情報提供目的です。投資推奨ではありません。投資は自己責任でお願いします。

📋 目次
  1. トリニティスタディとは
  2. 研究の方法と条件
  3. 成功率の結果:株式比率と期間別早見表
  4. 4%ルールはどう導かれたか
  5. 日本人が使う際の注意点
  6. 現代FIREへの適用方法
  7. まとめ

「4%ルール」の根拠として必ず出てくるトリニティスタディ(Trinity Study)。でも「聞いたことはあるけど詳しくは知らない」という方も多いはずです。この記事では、研究の内容・成功率の早見表・日本人が使う際の注意点までを徹底解説します。

トリニティスタディとは

トリニティスタディとは、1998年にアメリカのトリニティ大学の3人の教授(Cooley・Hubbard・Walz)が発表した論文「Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable(退職貯蓄:持続可能な引出し率の選択)」のことです。

この研究の目的は、「退職後に一定の割合で資産を取り崩しながら、30年間資産が底をつかない確率(成功率)はどのくらいか?」を過去データで検証することでした。この研究から生まれた「安全引出し率4%」が、現在のFIRE運動における4%ルールの根拠となっています。

論文の重要性:トリニティスタディが画期的だったのは「感覚」ではなく1926年〜1995年の70年分の株式・債券の実際のリターンデータを使って成功率を算出した点です。感情論ではなく、数字で「何%の引出しなら安全か」を示しました。

研究の方法と条件

研究では以下の条件でシミュレーションが行われました。

📋
トリニティスタディの条件
・データ期間:1926年〜1995年(70年分)
・取り崩し期間:15年・20年・25年・30年
・引出し率:3%・4%・5%・6%・7%・8%・9%・10%・11%・12%
・ポートフォリオ:株式100%〜債券100%まで6パターン
・インフレ調整:あり(実質引出し)・なし(名目引出し)
・成功の定義:取り崩し期間終了時に資産残高が1ドル以上

「ローリング期間法」という手法を使い、1926〜1955年の30年間・1927〜1956年の30年間…というように、開始年をずらしながら複数のシナリオで成功率を算出しています。

成功率の結果:株式比率と期間別早見表

以下はインフレ調整あり(実質引出し)での主な成功率です。

引出し率 株式75%・債券25%
(15年)
株式75%・債券25%
(20年)
株式75%・債券25%
(30年)
株式50%・債券50%
(30年)
3%100%100%100%100%
4%100%100%98%85%
5%100%83%82%66%
6%89%72%68%50%
7%79%62%56%37%

※ インフレ調整あり(実質引出し)。原論文の数値を元に概算値を掲載。

この表から「株式75%・債券25%のポートフォリオで4%の引出しなら、30年間成功率98%」というのが4%ルールの根拠です。

4%ルールはどう導かれたか

4%ルールが「安全」とされる理由は、研究結果のうち最も厳しい相場(Great Depression・1970年代の高インフレなど)を経験した30年間でも資産が底をつかなかったという点にあります。

引出し率4%=必要資産は年間生活費の25倍(1÷0.04)という公式が生まれたのはここからです。

🔢
4%ルールの計算式
年間生活費 ÷ 4% = 必要資産
= 年間生活費 × 25

例)月25万円(年300万円)の生活費の場合:
300万円 × 25 = 7,500万円が必要資産

日本人が使う際の注意点

トリニティスタディはアメリカの株式・債券データに基づいており、日本人がそのまま適用するにはいくつかの注意点があります。

注意点①:研究は「30年間」が前提

トリニティスタディは30年間の取り崩しを想定しています。40歳でFIREすると残り50年以上あるため、30年を超える期間では成功率が下がる可能性があります。早期リタイアほど保守的な(3〜3.5%の)引出し率が推奨されます。

注意点②:米国株式市場が前提

研究はS&P500に近い米国株式インデックスのデータを使用しています。日本株のみで運用した場合は「失われた30年」のような長期停滞リスクがあります。オルカン・S&P500など米国・全世界株式への分散が前提です。

注意点③:インフレ率が日米で異なる

米国のインフレ率は日本より高く、研究のインフレ前提が日本に合わない可能性があります。日本のインフレが今後上昇するなら、3.5%引出しなど保守的な設定が安全です。

注意点④:税金を考慮していない

研究は税引き前の試算です。日本では投資利益に約20%の税金がかかるため、実質的な引出し可能額は約20%少なくなります。NISAの非課税枠を最大限活用することで税負担を軽減できます。

日本人への結論:トリニティスタディの4%ルールは「指針」として使いつつ、30年超のFIREなら3〜3.5%引出しをベースに計画することが安全です。また、年金受給が始まる65歳以降は引出し率を下げられるため、それまでの期間を乗り切る計画が重要です。

現代FIREへの適用方法

トリニティスタディの知見を現代のFIREに活かすポイントは3つです。

まとめ

4%ルール・3%ルールで達成年齢を計算

引出し率を変えてFIRE達成年数がどう変わるかをシミュレーション

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Kei
Kei FireNavi 運営者

30代会社員・投資歴10年。サイドFIREを最初のマイルストーンに資産形成中。4%ルールの根拠を理解した上で、自分のFIRE計画を立てることを重視しています。

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