2025〜2026年の市場乱高下(トランプ関税・FRB利上げ等)でNISA口座の含み損が気になっている方へ。長期積立投資家にとって暴落は想定内です。
暴落時の基本原則
| 原則 | 内容 |
|---|---|
| 長期視点を持つ | 10〜20年後の資産形成が目的。短期の下落は誤差 |
| 感情で動かない | 「損が怖い」「もっと下がりそう」は投資の敵 |
| 積立を止めない | 暴落中は安く多くの口数を取得できるチャンス |
| 生活費を確保する | 現金バッファー(生活費2〜3年分)があれば慌てる必要なし |
やるべきこと・やってはいけないこと
- ✓ 積立を継続する:毎月の自動積立設定をそのままにする
- ✓ 余裕資金で買い増し:生活費に影響しない範囲で追加投資も検討
- ✓ ポートフォリオの確認を減らす:毎日見ることでストレスが増える
- ✗ 全部売って現金化:底値で損失確定・回復を取り逃す最悪の選択
- ✗ レバレッジ商品への乗り換え:リスクが増大する
- ✗ SNSの恐怖情報に煽られる:「もっと下がる」情報に振り回されない
現金バッファーの重要性
暴落時に慌てる人の多くは現金が足りないから。生活費の2〜3年分(600〜900万円)を現金で保有していれば、暴落中に売却する必要がなくなります。
| 現金バッファー | 暴落時の行動自由度 | おすすめ対象 |
|---|---|---|
| 6ヶ月分 | 最低ライン・余裕なし | 若い・安定収入あり |
| 1〜2年分 | 普通 | 会社員・積立継続中 |
| 2〜3年分 | 安心・暴落を気にしない | FIRE前後・資産取り崩し中 |
過去の暴落からの回復(S&P500・オルカン)
| 暴落 | 下落幅 | 積立継続の場合の回復期間(目安) |
|---|---|---|
| コロナショック2020 | 約-34% | 約5〜7ヶ月(積立継続で平均取得価格低下) |
| 2022年下落 | 約-25% | 約1〜1.5年 |
| リーマンショック2008 | 約-55% | 約4〜5年(積立継続の場合) |
暴落幅・資産規模別:損失額と積立継続時の回復シミュレーション
| 暴落幅 | 保有資産500万円 | 保有資産1,000万円 | 保有資産2,000万円 | 積立継続(月5万)で回復までの目安 |
|---|---|---|---|---|
| ▲20% | ▲100万円(残400万) | ▲200万円(残800万) | ▲400万円(残1,600万) | 約1〜2年 |
| ▲30% | ▲150万円(残350万) | ▲300万円(残700万) | ▲600万円(残1,400万) | 約2〜3年 |
| ▲50% | ▲250万円(残250万) | ▲500万円(残500万) | ▲1,000万円(残1,000万) | 約4〜6年(過去リーマン水準) |
どの暴落幅でも「積立継続×保有維持」が最も早く資産を回復させてきました。売却は底値での損失確定になるため、現金バッファーを2年分確保した上で保有し続けることが原則です。
暴落時にやってはいけない行動チェックリスト
| やってはいけない行動 | なぜNG? | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 全額売却して様子見 | 底値確定・再投資タイミングを逃す | 保有継続・積立を止めない |
| 積立を一時停止 | 安値を買えず平均取得価格が下がらない | 同じ金額で継続(安く多く買える) |
| 毎日価格を確認する | 感情的な判断につながる | 月1回以下のチェックに制限 |
| 生活防衛資金を取り崩して投資 | 急な支出に対応できなくなる | 生活費の2〜3年分は現金で別管理 |
NISA特有の注意点:非課税枠の再利用ルール
暴落時に「新NISAだから」こそ気をつけたい制度上のポイントがあります。それが非課税保有限度額(1,800万円枠)の再利用タイミングです。
新NISAで保有商品を売却すると、その分の非課税枠は翌年に復活します。つまり、暴落中に慌てて売却してしまうと、①底値で損失を確定させる、②売った分の非課税枠はすぐには戻らず翌年まで使えない、という二重の不利益を被ります。「一旦売って、また買い直せばいい」という発想は新NISAでは特に割に合いません。
| 行動 | 非課税枠への影響 | 暴落時のおすすめ度 |
|---|---|---|
| 保有継続(何もしない) | 枠は減らない・そのまま維持 | ★★★★★ |
| 暴落中に売却 | 売却分の枠は翌年まで復活しない | ★☆☆☆☆ |
| 暴落中に買い直し(枠が余っている場合) | 当年の未使用枠を使って購入可能 | ★★★★☆(余裕資金があれば) |
NISAでは損益通算・損出しができない
課税口座(特定口座・一般口座)であれば、含み損が出た銘柄を売却して損失を確定させ、他の利益と相殺する「損益通算」や、売却後すぐに買い戻して含み損を実現しつつポジションを維持する「損出し(クロス取引)」といった節税テクニックが使えます。しかしNISA口座ではこれらが一切使えません。そもそも非課税なので税務上の損益という概念が存在しないためです。
積立を止めたくなった時:正しい設定変更の手順
それでも心理的にどうしても積立を止めたい・減額したいと感じた場合は、以下の手順で対応しましょう。「積立停止」ではなく「一時減額」から検討するのがおすすめです。
- ①まずは金額の見直しから:積立停止ではなく、無理のない金額(例:月5万円→月1万円)に一時的に減額する
- ②設定変更は証券会社サイトの「積立設定」から:SBI証券・楽天証券とも「NISA・つみたて」メニューから金額変更が可能。反映は次回の買付日から
- ③停止する場合は「解約」ではなく「積立設定の停止」を選ぶ:保有している商品を売却する必要はなく、新規の買付だけを止める操作です
- ④再開のハードルを下げておく:停止する場合も「株価が前高値の何%まで戻ったら再開する」など、再開条件を先に決めておくと感情的な判断を防げます
